香典返しの「のし」は苗字だけでいい?フルネーム・実家・旧姓・連名・親戚代表の正しい書き方
この記事では、香典返しの「のし」における名前の表記方法と、その判断基準を分かりやすく解説します。
香典返しの「のし」に名前を書く意味
香典返しの「のし」(熨斗)に名前を記載するのは、「誰からのお返しか」を明確にするためです。
贈り主の名前が分からないと、受け取った側は「どの香典に対するお返しか」判断できません。
そのため、香典返しでは必ず名入れを行うのが基本とされています。
苗字だけでいい?フルネームで書くべき?
苗字だけで良い場合
- 同じ苗字が少ない地域や親族関係
- 地域の慣習で苗字のみが一般的な場合
- 葬儀社に一括で注文し、発送リストと照合できる場合
フルネームが望ましい場合
- 同じ苗字の親族や参列者が多い場合
- 会社関係や友人関係など、名字だけでは判別しづらい場合
- 郵送での香典返しで、受け取った人が送り主を迷う可能性がある場合
香典返しの「のし」に名前を書かないのは失礼?
香典返しの「のし」や熨斗には、基本的に必ず名前を記載するのが礼儀です。
名前がないと、受け取った側が「誰からのお返しか」を判断できず、かえって失礼にあたる場合があります。
ただし例外として、葬儀社やギフト業者に一括で依頼しており、送り先が発送リストで把握できるケースでは、省略されることもあります。
しかし一般的には「苗字のみ」「フルネーム」「〇〇家一同」など、何らかの形で記載しておく方が安心です。
実家から出す場合の名入れルール
実家名義で出す場合
「田中家」や「田中家一同」と表記するのが一般的です。
家族単位でお返しをまとめたいときに使われる方法です。
代表者名で出す場合
喪主の名前(父や母など)をフルネームで記載します。
故人との関係が分かりやすいように配慮されることが多いです。
地域によっては「〇〇家一同」が多いところもあれば、喪主のフルネームを必ず入れるところもあります。
香典返しの「のし」に旧姓を書くべき?
香典返しの「のし」や熨斗(掛け紙)に名前を入れる際、結婚などで姓が変わった場合に旧姓を使うべきか迷う方も多いです。
基本的には現在の名字(戸籍上の姓)を用いるのが正式な書き方です。受け取った側が送り主を正しく理解できることが大切だからです。
ただし、地域や親族の慣習によっては、旧姓を併記する場合もあります。特に旧姓で親族や知人に広く認識されている場合、「佐藤(旧姓:鈴木)」のように記すことで、相手が混乱せずに済む配慮になります。
まとめると、香典返しの「のし」や熨斗に名前を書くときは現在の姓を基本とし、必要に応じて旧姓を補足する方法が安心です。
香典返しを連名で出す場合の書き方
夫婦や兄弟など複数人で香典返しを出すときは、のしや熨斗に連名で名前を記載します。
書く順番は右から立場の高い人を先にし、続いて配偶者や兄弟を左に並べます。
ただし3名以上になると読みづらくなるため、「〇〇一同」とまとめるのが一般的です。
その際は別途、同封の挨拶状に具体的な名前を記すと丁寧です。
親戚代表で香典返しを出す場合の書き方
親戚一同でまとめて香典返しをする場合、のしや熨斗には「〇〇家一同」と表記するのが一般的です。
これにより、受け取った側は「親族からまとめての返礼」であることがすぐに分かります。
地域によっては、代表者の名前(喪主など)をフルネームで添える習慣もあります。
相手に配慮しつつ、地域の慣習や親族内での合意を優先することが大切です。
香典返しの表書きと水引の基本
- 表書き:四十九日法要までは「志」、以降は「満中陰志」や「忌明志」など地域の慣習に従う
- 水引:黒白または双銀の結び切り
- のし:仏事なので基本的に「熨斗マーク(のし紙の飾り)」は付けない(掛け紙が正しい)
香典返し「のし」名前のチェックリスト
- 苗字だけで良いのは、同姓が少なく判別可能な場合
- 同姓が多い・会社関係はフルネーム推奨
- 実家から出すときは「〇〇家」や「〇〇家一同」でも可
- 喪主名をフルネームで入れると丁寧
- 旧姓は基本的に不要だが、必要に応じて併記すると安心
- 夫婦・兄弟は連名、3人以上は「〇〇一同」
- 親戚代表でまとめるときは「〇〇家一同」または代表者名を添える
- 表書きは「志」や「満中陰志」、水引は黒白または双銀
- 香典返しののし・熨斗には「熨斗マーク」を付けない
まとめ
香典返しの「のし」や熨斗に名前を書く際は、受け取った人が誰からのお返しか分かるかを基準にしましょう。
苗字だけで十分な場合もありますが、同姓が多い場合や仕事関係の人へ送る場合はフルネームでの表記が無難です。
実家名義でまとめるときは「〇〇家一同」や喪主名を用いるのが一般的です。
結婚などで姓が変わった場合は現在の姓を使い、必要に応じて旧姓を併記すると親切です。
夫婦・兄弟で出す場合は連名、親戚代表でまとめる場合は「〇〇家一同」とするのが安心です。
形式にこだわりすぎず、相手に配慮した分かりやすい表記を心がけると安心です。